○歌うキーボード ポケット・ミク(NSX-39)エフェクト機能について





ポケット・ミクに搭載搭載されているNSX-1チップにはさまざまなエフェクト機能があります

 仕様によると、リバーブ×29種類、コーラス×24種類、インサーション×181種類、マスターEQ(5バンド)・・・?
 と公開されてますが、これら234種類+イコライザーすべてを、無作為にパラメータの数値をいじって変化をみる・・
 のではなく、もっと体系的にまとめて結局のところでれだけの効果があるのか・・を理解しながら見て生きたいと思います。

主にボーカル音声に関係するエフェクトをメインに見ていきます。


◎エフェクト機能の概要ついて

(0) GM(2) MIDI準拠のエフェクト機能について

  本来、GM(2)のMIDIには、標準機能のエフェクト機能として、リバーブとコーラスが定義されています。
  
  リバーブ、コーラスの種類などの設定は、ユニバーサルシステムイクスクルーシブメッセージで行うことができます。
  〇リバーブパラメーター 6種類
   SysEx(F0 7F XN 04 05 01 01 01 01 01 PP VV ...... F7) PP:Type VV:value
  〇コーラスパラメーター 6種類
   SysEx(F0 7F XN 04 05 01 01 01 01 02 PP VV ...... F7) PP:Type VV:value
  ただし、ポケットミクでは、ボイスパートには無効となっており、ボイスパートを含めてさらに拡張された
  XG規格でサポートされているため、特にこのメッセージを使用する必要性はありません(互換性のため存在)
  (詳細が必要な場合はYMW820-MIDI仕様書にも記載されているので参考にしてください

(1) XG MIDI準拠のエフェクト機能について

  YAMAHAが独自に拡張したXG-MIDI規格では、標準GM-MIDIのエフェクトを拡張してサポートしています。
  XG-MIDI仕様によるとエフェクト機能は、リバーブ、コーラス、バリエーションという3つの機能ブロックがあり、
  その機能の仕組みとして、システムエフェクトタイプとインサーションエフェクトタイプの2つの方式を選択できる
  様になっています。それぞれのタイプを図示します。

     

  見てのとおり、システムエフェクトタイプでは、3つのエフェクト機能(+ドライ)同時に入ってミキシングされる
  並列タイプと、バリエーション機能のあとに、コーラス、リバーブ機能をかけることができる直列タイプになります。
  入力は各チャンネル分それぞれに入力レベルで設定が可能である。ただし、入力レベルは各チャンネルあるが、
  エフェクトモジュールは1つ(1チャンネル)しかないので、各チャンネルを同じエフェクトを使用することになります。

  システムエフェクトの場合は並列なので、各チャンネルごとに、リバーブ、コーラス、バリエーションのレベル調整ができます。
  インサーションの場合は、エフェクトの入力自体が、1本なので、チェンネル毎にエフェクトをかけるかかけないかのレベル調整
  となります。


   ところで各エフェクト機能ブロックの働きは
  <リバーブ> ホールのような残響音の響き(ポケミクの場合29種類)
  <コーラス> 合唱、やまびこのようなエコーの響き(ポケミクの場合24種類)
  <バリエーション> 用意されたさまざまな音響効果(ポケミクの場合181種類)
  となっています。
   それぞれのエフェクト入力は、MIDI標準コントロールチェンジ(Bn)のEffect Depth1(Reverb)、Effect Depth3(Chorus)、
  Effect Depth4(Variation)で調整できるようになっています


(2)NSX-1のエフェクト機能について
    ポケット・ミク搭載のNSX-1にも、XG規格相当のエフェクトが搭載されているとなっており、その機能は下記のようになってます。

  

   これをみてお気づきでしょうが。。。これはシステムエフェクトに似ています。
   では、インサーションの場合は?とお思いでしょうが、実は、NSX-1にはXGのようなインサーションエフェクトは搭載されていません。
   インサーションエフェクト指定の時は、システムエフェクトと同じ回路で、バリエーションが効かない形と考えられます。
   (ここがXG規格相当の意味だと思います)

   ここで、NSX-1の重要事項があります。エフェクト機能を切り替えるパラメータ、VARIATION CONNECTION(02,01,5A)は
   デフォルトでINSERTION(00)になっています。
   NSX-1はVARIATION = INSERTIONは未サポートのため、このときVARIATION機能自体が働きません。
  (REVERB、CHORUSは機能します)

   従って、VARIATION機能を使う場合、システムエフェクトにするため、
  VARIATION CONNECTION(02,01,5A)はSYSTEM(01)に設定する必要があります
  (NSX-1のMIDI仕様書では、ボイスパートではVARIATION CONNECTIONが無効のように書かれてますが実は必要です)

   あと、Variationの入力レベルはデフォルトで0ですので、設定しないとエフェクトはかかりません。

(3)eVolcaloid専用波形調整処理について

   NSX-1は上記エフェクトを専用DSPで処理しますが、それ以外にもCPUで音源の処理を行うものがあり、
   それが[CPU]から同様に、DRY,Rev.Cho.Var.につながります。これは、eVolcaloid専用の調整を行うような処理が
   MaskROMとしてNSX-1に焼きこまれている処理と考えられる。特に操作できるものではないようで、
   基本的には、CPU処理結果の入力レベル(DRY//REV/CHO/VAR)、PANはメインパートの標準MIDIコントロール
   の設定値に同期している

   (また外部パラレルバスED0-15からのデータ入力もCPUで処理可能であるがポケミクでは未使用)

(4)その他の外部入力調整

   なおNSX-1には外部入力端子(SDI0/1)がありそれをMIXすることもできますが、
   ポケット・ミクでは未使用となっています。

(5)Multi Equalizer(MEQ)処理

   そして、最終段には、Multi Equalizer(MEQ)があり、その処理を通って出力されます。
   (デジタルデータとしてSDO2から出力される)
   Multi Equalizer(MEQ)を通らないでダイレクトで出力する経路(SDO3)もあるが、ポケミクでは未使用となっています

  (外側の点線2本の矢印は、いまいちどういう動作のためあるのか、どのような影響があるのかよく分からないため保留します)

(6)その他のMIDI標準の波形効果について

   上記システムエフェクト以外にも、モジュレーション、ピッチベンド、ホワイトノイズ、
   ビブラート、ポルタメントや波形の調整(Atack,Deckey、Sustine,Rerease等)を調整したりする機能もあり
   これらは音源部でチャンネルごとにかけられる、基本的な波形生成処理として存在する。
  (ただし波形の調整はボイスパートには無効)

(7)MIDI拡張部による波形の調整について(パートごとのまとめ)

    XG準拠のパラメータチェンジには、コントロールチェンジやRPN/NRPNなどで定義されたさまざまなパラメータを
    パート(Ch.)ごとに設定する、マルチパートパラメータがあり、コントロールチェンジにはない機能も拡張されています
    ただし、ボイスパートには無効となっています。
    各パートに独立したものなのでこれも音源処理部で行っていると考えられます


(8)ドラムセット専用のセットアップ調整について

     XG準拠のパラメータチェンジには、ドラム専用の調整パラメータ、ドラムセットアップが用意されています
     実はNRPNでもドラム専用の調整値が用意されています。ドラムパートのみ有効です

(9)エフェクト入力レベルコントロールについて(2024.2.22追記)

    上記エフェクトのブロック図で、[1]〜[21]のレベルをMIDIメッセージでコントロールすることができます。

    [1][7]:Main Volume  :音源の大元のボリューム 標準CC(Bn 07 xx) xx=40がデフォルト MIDIチャンネルn単位での指定
        Main Expression:ボリューム値微調整用* 標準CC(Bn 0B xx) xx=7Fがデフォルト
    [2][7]:Main Panpot:音源の大元の左右バランス   標準CC(Bn 0A xx) xx=40がデフォルト(00-40-7F:L64-C-R63)

     *Main Expressionはボリューム値をMaxとした調整値(デフォルト7F最大値)
     Volumeが曲全体のボリュームでExpressionはその曲内での部分的な強弱に使う(表現力)
    これらは、GM音源、ボイス音源に共通で調整できるが、ドラムパートははNRPNで専用の指定を持ちます。
    また、ボイス以外(GM音源)はマルチパート(チャンネル)毎の設定として、SysExでも指定が可能。
     SysEx(F0 43 10 4C 08 nn 0B xx F7)でxx=Volume指定 nn=チャンネル
     SysEx(F0 43 10 4C 08 nn 0E xx F7)でxx=Panpod指定 nn=チャンネル
    ドラムパートはNPRNで指定可能(ドラムは1音note毎に音色が異なりnote毎の指定)
     NPRN(Bn 63 1A, Bn 62 rr, Bn 06 mm)rr:Drum note number, mm:Value
     NPRN(Bn 63 1C, Bn 62 rr, Bn 06 mm)rr:Drum note number, mm:Value

    結局ボイスは標準CCでのみの調整となる。
    CPUエフェクト部への入力レベル調整はなく、Pan指定がメインボリュームと関連して動くようである([1]と[7])

    [3][8]:Dry Level:音源をエフェクトなしで出力する大きさを指定します
      SysEx(F0 43 10 4C 08 nn 11 xx F7) nn=チャンネル xx=7F(MAX)デフォルト。ただしGM音源にのみ有効
      ボイス音源は常に7F指定同等の直結となっています。
     [8]はCPU音源からの調整するコマンドが見つからなかった。(SDI入力は未使用なので省略)

    [4][9]:Effect1 Depth:Reverb入力の大きさを指定します。
       標準CC(Bn 5B xx) xx=40がデフォルト
       マルチパート指定SysEx(F0 43 10 4C 08 nn 13 xx F7)はボイス以外(GM音源)のみ可能
       ドラムパートNPRN(Bn 63 1D, Bn 62 rr, Bn 06 mm)rr:Drum note number, mm:Value

    [5][10]:Effect3 Depth:Chorus入力の大きさを指定します。
       標準CC(Bn 5D xx) xx=00がデフォルト
       マルチパート指定SysEx(F0 43 10 4C 08 nn 12 xx F7)はボイス以外(GM音源)のみ可能
       ドラムパートNPRN(Bn 63 1E, Bn 62 rr, Bn 06 mm)rr:Drum note number, mm:Value

    [6][11]:Effect4 Depth:Variation入力の大きさを指定します。
       標準CC(Bn 5E xx) xx=00がデフォルト
       マルチパート指定SysEx(F0 43 10 4C 08 nn 14 xx F7)はボイス以外(GM音源)のみ可能
       ドラムパートNPRN(Bn 63 1F, Bn 62 rr, Bn 06 mm)rr:Drum note number, mm:Value

    [12]:Send Chorus to Reverb:ChorusをReverbに入れるゲイン(dB)を調整します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 2E xx) xx=00がデフォルト(00-40-7F:06dB-0dB-+6dB)

    [13]:Send Variation to Reverb:ChorusをReverbにゲイン(dB)を調整します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 58 xx) xx=00がデフォルト(00-40-7F:06dB-0dB-+6dB)

    [14]:Send Variation to Chorus:VariationをChorusに入れる大きさを指定します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 59 xx) xx=00がデフォルト(00-40-7F:06dB-0dB-+6dB)

    [15]:Reverb Pan:Reverb出力のPan(左右バランス)を指定します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 0D xx) xx=40がデフォルト(00-40-7F:L64-C-R63)

    [16]:Reverb Return:Reverb出力ゲイン(dB)を調整します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 0C xx) xx=40がデフォルト00-40-7F:06dB-0dB-+6dB)

    [17]:Chorus Pan:Chorus出力のPan(左右バランス)を指定します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 2D xx) xx=40がデフォルト(00-40-7F:L64-C-R63)

    [18]:Chorus Return:Chorus出力ゲイン(dB)を調整します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 2C xx) xx=40がデフォルト00-40-7F:06dB-0dB-+6dB)

    [19]:Variation Pan:Variation出力のPan(左右バランス)を指定します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 57 xx) xx=40がデフォルト(00-40-7F:L64-C-R63)

    [20]:Variation Return:Variation出力ゲイン(dB)を調整します
      SysEx(F0 43 10 4C 02 01 56 xx) xx=40がデフォルト00-40-7F:06dB-0dB-+6dB)

    [21]:Multi EQ(イコライザー)の設定によるゲイン調整
      SysEx(F0 43 10 4C 02 40 yy xx):yy=00-14イコライザ設定項目 xxは調整値
      この後(3)マルチイコライザー(Multi Equalizer)を参照してください





◎MIDIコマンドによるエフェクトの指定方法について

(1)デフォルト(VARIATION CONTROL=INSERSTION)のときのエフェクト機能の指定

   このとき、リバーブとコーラスのみ有効となっており、チャンネルごとの
   MIDI標準コントロールチェンジ(Bn)のEffect Depth1(Reverb)、Effect Depth3(Chorus)を指定することで、
   リバーブ、コーラスエフェクトモジュールの入力レベル(Rev.REV/Cho.LEV)を調整します。
   リバーブ/コーラスモジュールのリターンレベルは、パラメータチェンジ(XGシステムイクスクルーシブ)
   で指定しますが、デフォルト40となっていますので、何もしなくてもそこそこ聞こえます。
   リバーブ、コーラスのエフェクトにも種類があるので、必要に応じでそのタイプ(MSB/LSB)、パラメータを設定します。

   <MIDIデータ例:Ch.0>
     B0 07 xx(00-7F) : メインボリューム(Part Level)Default=40h(64)
     B0 08 xx(00-7F) : エクスプレッション(Expression) (メインボリューム値を最大とした、最大音量)Default=7Fh(127)
     B0 0A xx(00-7F) : Panpot(ボイスパートCh.00には無効) Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64)
     B0 5B xx(00-7F) : Effect Depth1(Reverb) Default=40h(64)
     B0 5D xx(00-7F) : Effect Depth3(Chorus) Default=00h(0) !!

     (F0 43 10 4C 02 01 00 xx xx F7) :REVERB TYPE = 01,00(Default):(XG Para.Chg. 02 01 00 xx xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 02 xx F7) : REVERB PARAMETER 1
        ・・・・・・・・・・・          〜      各TYPE毎に定義されたパラメータを設定する
     (F0 43 10 4C 02 01 15 xx F7) : REVERB PARAMETER 16

     (F0 43 10 4C 02 01 20 xx xx F7) :CHORUS TYPE = 41,00(Default):(XG Para.Chg. 02 01 00 xx xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 22 xx F7) : CHORUS PARAMETER 1
        ・・・・・・・・・・・          〜      各TYPE毎に定義されたパラメータを設定する
     (F0 43 10 4C 02 01 35 xx F7) : CHORUS PARAMETER 16

     (F0 43 10 4C 02 01 0C xx F7) : REVERB RETURN = -∞(0)...0(64)...+6dB(127) (Default64):(XG Para.Chg. 02 01 0C xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 2C xx F7) : CHORUS RETURN = -∞(0)...0(64)...+6dB(127) (Default64):(XG Para.Chg. 02 01 2C xx)

     (F0 43 10 4C 02 01 0D xx F7) : REVERB PAN= Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64):(XG Para.Chg. 02 01 0D xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 2D xx F7) : CHORUS PAN = Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64):(XG Para.Chg. 02 01 2D xx)

    コーラスからリバーブに送るルートは有効なので、これを使うことで直列動作も可能となります。
     F0h 43h 10h 4Ch 02h 01h 2Eh 40h F7h :Send Chorus to Reverv = 64 (0-127:Defaultは0)
     このとき、:Effect Depth1(Reverb)=0にしないと、コーラス前の波形もリバーブに入って合成されます。

  * メインPAN(B0 0A xx)、およびドライレベル(XG Para.Chg. 08 nn 11 xx)はボイスパートに
    対しては無効【デフォルトPAN=40H(Center)DRY LEV=7FH】であるが、エフェクトの出力PANで変化はできます。
    ボイスパートにDRY調整がきかないため、常にDRY100%+エフェクトの合成として出力されます。ドライカットして
    エフェクトのみの出力を得ることができないのがちょっと残念です。本来のボイス特性を損なわないためなのか
    もしれません

 
  **他のチャンネルについても同様ですがエフェクト機能自体は共通で、チャンネルごとに設定できません。
    エフェクト設定自体は、一度設定されていれば他のチャンネルでの設定は不要で、
    入力レベル(VOL/PAN/DRY/REV/CHO/VAR)だけ設定することになります。


(2)バリエーションエフェクト機能を使用したエフェクトの指定

   まず、VARIATION CONNECTION(02,01,5A)をSYSTEM(01)にして、Veriationの入力レベルも設定を行う必要があります。
   そして、バリエーションエフェクトのタイプとそのタイプごとに定義されたパラメータ1〜16を設定します。
   リバーブ、コーラスのタイプ、パラメータ1〜16も必要に応じて設定します。
   必要に応じて、Variation to Chorus,Variation to Reverb,Chorus to Reberbを設定します。
   Chorus/Reverve/Variationの入力レベル/PAN、出力Return値/ReturnPAN等も必要に応じて調整します。

   バリエーションタイプはMSB/LSBの2バイトで指定し、MSBが分類、LSBでその分類の中でのバリエーションで区別されます。

   <MIDIデータ例:Ch.0>
     B0 07 xx(00-7F) : メインボリューム(Part Level)Default=40h(64)
     B0 08 xx(00-7F) : エクスプレッション(Expression) (メインボリューム値を最大とした、最大音量)Default=7Fh(127)
     B0 0A xx(00-7F) : Panpot(ボイスパートCh.00には無効) Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64)
     B0 5B xx(00-7F) : Effect Depth1(Reverb) Default=40h(64)
     B0 5D xx(00-7F) : Effect Depth3(Chorus) Default=00h(0) !!
     B0 5E xx(00-7F) : Effect Depth4(Variation) Default=00h(0) !!

     F0 43 10 4C 02 01 5A 01 F7  : VARIATION CONNECTION = SYSTEM(01) !!

     [REVERB エフェクトの設定]
     (F0 43 10 4C 02 01 00 xx xx F7) :REVERB TYPE = 01,00(Default):(XG Para.Chg. 02 01 00 xx xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 02 xx F7) : REVERB PARAMETER 1
        ・・・・・・・・・・・          〜      各TYPE毎に定義されたパラメータを設定する
     (F0 43 10 4C 02 01 15 xx F7) : REVERB PARAMETER 16

     [CHORUS エフェクトの設定]
     (F0 43 10 4C 02 01 20 xx xx F7) :CHORUS TYPE = 41,00(Default):(XG Para.Chg. 02 01 20 xx xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 22 xx F7) : CHORUS PARAMETER 1
        ・・・・・・・・・・・          〜      各TYPE毎に定義されたパラメータを設定する
     (F0 43 10 4C 02 01 35 xx F7) : CHORUS PARAMETER 16

     [VARIATION エフェクトの設定]
     (F0 43 10 4C 02 01 40 xx xx F7) :VARIATION TYPE = 05,00(Default):(XG Para.Chg. 02 01 40 xx xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 42 xx F7) : VARIATION PARAMETER 1
        ・・・・・・・・・・・          〜      各TYPE毎に定義されたパラメータを設定する
     (F0 43 10 4C 02 01 75 xx F7) : VARIATION PARAMETER 16

     [エフェクト出力の設定]
     (F0 43 10 4C 02 01 0C xx F7) : REVERB RETURN = -∞(0)...0(64)...+6dB(127) (Default64):(XG Para.Chg. 02 01 0C xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 2C xx F7) : CHORUS RETURN = -∞(0)...0(64)...+6dB(127) (Default64):(XG Para.Chg. 02 01 2C xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 56 xx F7) : VARIATION RETURN = -∞(0)...0(64)...+6dB(127) (Default64):(XG Para.Chg. 02 01 2C xx)

     (F0 43 10 4C 02 01 0D xx F7) : REVERB PAN= Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64):(XG Para.Chg. 02 01 0D xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 2D xx F7) : CHORUS PAN = Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64):(XG Para.Chg. 02 01 2D xx)
     (F0 43 10 4C 02 01 57 xx F7) : VARIATION PAN =Left(-64)-Center(0)-Right(63) Default=40h(64):(XG Para.Chg. 02 01 2D xx)

     [エフェクト経路の設定]
    コーラスからリバーブに送るルートは有効なので、これを使うことで部分的に直列動作も可能となります。
     F0h 43h 10h 4Ch 02h 01h 2Eh 40h F7h :Send Chorus to Reverv = 64 (0-127:Defaultは0)
    バリエーションからは、リバーブ、コーラスに送るルートが有効で、必要に応じで設定します。
     F0h 43h 10h 4Ch 02h 01h 58h 40h F7h :Send Variation to Reverv = 64 (0-127:Defaultは0)
     F0h 43h 10h 4Ch 02h 01h 59h 40h F7h :Send Variation to Chorus = 64 (0-127:Defaultは0)

     
(3)マルチイコライザー(Multi Equalizer)

    NSX-1にはXG−MIDI標準のマルチイコライザーが搭載されており、エフェクトの最終段にかかるようになっています。
    (全チャンネル共通でチャンネルごとに設定値を変えることはできない。コンポステレオのイコライザー同様)
    本イコライザーは、5バンドで、それそれのバンドに対して、中心周波数f0(Hz)、有効幅(Q値)、ゲイン(dB)が設定
    できます。バンド1、5はさらにEQ SHAPES(Shelving:00/Peeking:01)の設定が可能。)
    また、プリセットとして、FLAT、JAZZ、POPS、ROCK、CLASIC、のタイプ選択をすることが可能となっています。
    中心周波数は、バンド1で32〜2000Hz、バンド2/3/4で100〜10KHz、バンド5で500〜16KHzの指定が可能となっています。

    F0 43 10 4C 02 40 00 xx F7 : EQ TYPE = 00:FLAT 01:JAZZ 02:POPS 03:ROCK 04:CLASIC:(XG Para.Chg. 02 40 00 xx)

    F0 43 10 4C 02 40 01 xx F7 : EQ GAIN1 = 34-4C (-12db-0-+12db) 1dB単位で可変:(XG Para.Chg. 02 40 01 xx)
    F0 43 10 4C 02 40 02 xx F7 : EQ FREQUENCY1 = 04-28 (32-2000Hz) 設定値と周波数値については別表となる
    F0 43 10 4C 02 40 03 xx F7 : EQ Q1 = 01-78 (0.1 - 12.0) 設定値に対するQ値については下記参照
    F0 43 10 4C 02 40 04 xx F7 : EQ SHAPES1 (00:Shelving/01:Peeking)

    F0 43 10 4C 02 40 05 xx F7 : EQ GAIN2 = 34-4C (-12db-0-+12db) 1dB単位で可変:(XG Para.Chg. 02 40 05 xx)
    F0 43 10 4C 02 40 06 xx F7 : EQ FREQUENCY2 = 0E-36 (100-10KHz) 設定値と周波数値については別表となる
    F0 43 10 4C 02 40 07 xx F7 : EQ Q2 = 01-78 (0.1 - 12.0) 設定値に対するQ値については下記参照
    (F0 43 10 4C 02 40 08 xx F7) : NOT USED

    F0 43 10 4C 02 40 09 xx F7 : EQ GAIN3 = 34-4C (-12db-0-+12db) 1dB単位で可変:(XG Para.Chg. 02 40 09 xx)
    F0 43 10 4C 02 40 0A xx F7 : EQ FREQUENCY3 = 0E-36 (100-10KHz) 設定値と周波数値については別表となる
    F0 43 10 4C 02 40 0B xx F7 : EQ Q3 = 01-78 (0.1 - 12.0) 設定値に対するQ値については下記参照
    (F0 43 10 4C 02 40 0C xx F7) : NOT USED

    F0 43 10 4C 02 40 0D xx F7 : EQ GAIN4 = 34-4C (-12db-0-+12db) 1dB単位で可変:(XG Para.Chg. 02 40 0D xx)
    F0 43 10 4C 02 40 0E xx F7 : EQ FREQUENCY4 = 0E-36 (100-10KHz) 設定値と周波数値については別表となる
    F0 43 10 4C 02 40 0F xx F7 : EQ Q4 = 01-78 (0.1 - 12.0) 設定値に対するQ値については下記参照
    (F0 43 10 4C 02 40 10 xx F7) : NOT USED

    F0 43 10 4C 02 40 11 xx F7 : EQ GAIN5 = 34-4C (-12db-0-+12db) 1dB単位で可変:(XG Para.Chg. 02 40 01 xx)
    F0 43 10 4C 02 40 12 xx F7 : EQ FREQUENCY5 = 1C-2A (500-16KHz) 設定値と周波数値については別表となる
    F0 43 10 4C 02 40 13 xx F7 : EQ Q5 = 01-78 (0.1 - 12.0) 設定値に対するQ値については下記参照
    F0 43 10 4C 02 40 14 xx F7 : EQ SHAPES5 (00:Shelving/01:Peeking)

   ◎Q値とは・・・
    中心周波数f0に対して、周波数特性が3dB低下するバンド幅の両端の周波数f1,f2の幅となる定数Qとして表したもので、
    Q=f0/(f2−f1) =ω0/(ω2−ω1)で表すことのできる単位のない数値である。
     
    例えばQ=1.44のときにバンド幅は中心周波数から1オクターブの幅(-半oct. - + 半oct.)あることになる。
                  
Q値(例)(115.4)(57.7)(17.3)2.91.440.670.400.2670.182 0.1270.089
バンド幅(oct)(1/80)(1/40)(1/12)1/212345 67
     なお設定値は実際に設定できる範囲があり、Q = 0.1-12.0に対して、01-78h(120)として設定する。

    (例)Q=0.67のとき、中心周波数=440HZ(A4)に対して、バンド幅はf1=220Hz(A3)からf2=880Hz(A5)となる

   ◎周波数の設定値は、全バンド共通で、下記のテーブルのとおり                            
設定値0123456789 10111213141516171819 20
周波数(Hz)20222528323640455056 63708090100110125140160180 200
設定値21222324252627282930 3132333435363738394041
周波数(Hz)225250280315355400450500560630 7008009001.0k1.1k1.2k1.4k1.6k1.8k2.0k2.2k
設定値4243444546474849 5051525354555657585960
周波数(Hz)2.5k2.8k3.2k3.6k4.0k4.5k5.0k5.6k 6.3k7.0k8.0k9.0k10.0k11.0k12.0k14.0k16.0k18.0k20.0k

 
   ◎デフォルト値はEQタイプごとに違います(デフォルトのタイプはFLAT)
                                     
EQ TYPEGain1Fq.1Q1Shp.1Gain2Fq.2Q2--Gain3Fq.3 Q3--Gain4Fq.4Q4--Gain5Fq.5Q5Shp.5
FLAT0dB(40h)80Hz(0Ch)0.7(07H)Shelv(00h)0dB(40h)500Hz(1Ch)0.7(07H)--0dB(40h)1kHz(22h) 0.7(07H)--0dB(40h)4kHz(2Eh)0.7(07H)--0dB(40h)8kHz(34h)0dB(40h)Shelv(00h)
JAZZ-6dB(3Ah)50Hz(08h)0.7(07H)Shelv(00h)+2dB(42h)125Hz(10h)0.3(03h)--+4dB(44h)900Hz(21h) 0.3(03h)---4dB(3Ch)3.2KHz(2Ch)0.5(05h)---6dB(3Ah)6.3kHz(32h)0.7(07H)Shelv(00h)
POPS+4dB(44h)125Hz(10h)0.7(07H)Shelv(00h)-4dB(3Ch)315Hz(18h)2.0(14h)--+3dB(43h)1.0kHz(22h) 0.7(07h)---4dB(3Ch)2.0KHz(28h)2.0(14h)--+6dB(46h)5.0kHz(30h)0.7(07H)Shelv(00h)
ROCK+7dB(47h)125Hz(10h)0.7(07H)Shelv(00h)+4dB(44h)200Hz(14h)0.7(07H)---4db(3Ch)1.2kHz(24) 0.5(05h)--+4dB(44h)2.2kHz(29h)1.0(0Ah)--+2dB(42h)6.3kHz(32h)0.7(07H)Shelv(00h)
Classic+3dB(43h)80Hz(0Ch)0.7(07H)Shelv(00h)+4dB(44h)315Hz(18h)0.7(07H)--0db(40h)1.0kHz(22h) 0.5(05h)--+2dB(42h)6.3kHz(32h)0.7(07h)---3dB(3Dh)8.0kHz(34h)0.7(07H)Shelv(00h)


(4)その他の標準的な波形効果処理

   その他にも基本的な波形の形成に効果をかける処理がいくつかあります。
   これらは、音源モジュール内で波形生成される際のパラメータとして指定されチャンネル毎に指定ができます

   ○モジュレーション

    音に揺らぎを与えるエフェクターで、音程にかけるとビブラートのように、音量にかけるとトレモロのようになる効果
    通常はビブラートになっていることが多いとのこと。MIDIコントロールチェンジ01にて指定し,チャンネルごとに指定が可能です。

    モジュレーションの係り具合をモジュレーション・センシティビティ(RPN 00h 05h)で指定が可能です。
    (ただしボイスパートには効かない:固定値が決まっているようである)

    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 01 xx :Modulation xx=00-7Fh(0-127)

    B0 65 00 :RPN MSB(上位)=00 >RPN 00h 05h :Moduration Sensitivity (MSB/LSB合わせて)
    B0 64 05 :RPN LSB(下位)=05        ピッチの変化量
    B0 06 mm :Data Entry MSB = +-1半(cent)単位で指定(Default:40h=+-0)
    B0 06 ll :Data Entry LSB = 100/128cent単位で指定(default:00h)
    (例)mm=00、ll=05のとき、中心周波数の上下3.90(cent)の範囲でのピッチが変化します


   ○ピッチベンド

    音程に変化を与えます。MSB LSB合わせて-8192 - 0 - +8191の指定が可能です。
    RPNではその最大変化幅を定義します。

    <MIDI Ch.0の場合>
    E0 01 mm ll :Pitchbend MSB xx=00-7Fh(0-127) Default00h LSB xx=00-7Fh(0-127) Default40h

    B0 65 00 :RPN MSB=00 >RPN 00h 00h :Pitchbend Sensitivity (MSB/LSB合わせて)
    B0 64 00 :RPN LSB=00        ピッチの変化最大幅
    B0 06 mm :Data Entry MSB mm = 00h - 18h(24) 半音(cent)単位で指定(Default:02h=2)
    ただしポケット・ミクの場合、初期化時にPitchbend Sensitivity=10h(16)に設定されます。
    このとき、Pitchbend値は512で半音階変化します。


   ○ポルタメント

    2音発生間のつながりの滑らかさを設定します

    ポルタメントタイム(コントロールチェンジ05h)でつながりの切り替わりの速さを設定します。
    ポルタメント・オン/オフ(コントロールチェンジ41h)でポルタメント機能のオンオフを切り替えます
    ただし、ボイスパートには本コントロールチェンジ機能では無効となっています

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 05 xx :Portament Time xx=00-7Fh(0-128) Slow-Fast 1000(cent/mSec)から0.01(cent/mSec)の範囲で変化します
    B1 41 xx :Portament On/Off xx=00-3F(OFF),40-7F(ON) Defaultは00h (Timeも)

    音程を指定してポルタメント時間0としてノートオンにする機能もあります
    B1 54 xx :Portament Control xx=Note

    ボイスパートの場合は、別途NRPN(70h,08h)にて用意されています。
    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 08 :NRPN LSB = 08H :NRPN(70h,08h)=Portanment Time
    B0 06 mm :Data Entry MSB = 00h-7Fh (Fast-Slow) Default 00h


   ○ホワイトノイズ

    声にノイズを与えます。ボイスパートにのみ有効です。

    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 0A :NRPN LSB = 0AH :NRPN(70h,0Ah)=White Noise
    B0 06 mm :Data Entry MSB = 00h-40h-7Fh (-24dB - 0 - +24dB) Default 40h


   ○発声ユニットの接続タイプ

    発生余韻のタイプを指定します。ボイスパートにのみ有効です。

    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 0C :NRPN LSB = 0CH :NRPN(70h,0Ch)=Phoneme Unit Conect Type
    B0 06 mm :Data Entry MSB = 00h:50mS固定モード 01H:minimumモード 02h:Verocity Type Default 01h

    Verocity Typeは、Verocityの大きさによって、その余韻も連動します。 00H(MAxx2.0)--40H(x1.0)--7FH(minx0.5)


   ○自動制御システムの切り替え

    発声ユニットの自動制御のオンオフを行います。ボイスパートにのみ有効です。

    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 01 :NRPN LSB = 01H :NRPN(70h,01h)=Enable Auto Pitch Contlol
    B0 06 mm :Data Entry MSB = 00h:Desable 01H:Enable Default 01h

    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 02 :NRPN LSB = 02H :NRPN(70h,02h)=Enable Auto Dynamics Contlol
    B0 06 mm :Data Entry MSB = 00h:Desable 01H:Enable Default 01h

    機能詳細については、未調査です。


   ○サスティン・ペダル オン/オフ(ダンパー、ホールドなどともいう)

    ピアノのダンパーペダルのように、Note OFFしても、残響音が継続する機能です。
    サスティン・ペダル・オンの状態でNote ONした場合そのNote OFFが来ても保留し継続されます。
    サスティン・ペダル・オフによってその保留したNote OFFが実行されます
    サスティン・ペダル・オンの時点ですでにNote ONしている発音中の音には影響を受けない

    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 40 xx :Sustain Pedal On/Off xx=00-3F(OFF),40-7F(ON) Defaultは00h


   ○ソステヌート オン/オフ

    サスティン・ペダルに似た効果があります。ただし、下記のとおりとなります
    ソステヌートがオンになると、既にNote ONしている音はその状態を保持します。
    ソステヌートがオフになったとき、既にNote OFFして状態継続している音をOFFにします。
    ソステヌートがオンの間にNote ONになった音には影響を受けません。
    コントロールチェンジ42hにてチャンネル毎に指定が可能です。
    ただしボイスパートには無効となっています。

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 42 xx :Sosutenute xx= xx=00-3F(OFF),40-7F(ON) Defaultは00h


   ○ソフト・ペダル オン/オフ

     音を小さくしたり、ソフトに(カットオフ周波数を下げる等)したりする機能です
    ただしボイスパートには無効となっています。

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 43 xx :SSoft Pedal On/Off xx=00-3F(OFF),40-7F(ON) Defaultは00h


   ○ハーモニック(フィルター・レゾナンス)

    LPFの遮断周波数付近の音を強調して音色を変化させる、レゾナンス効果(共鳴)の設定を行います。
    ボイスパートには無効となっています。

    

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 47 xx :Harmonic Content :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは00h

    またNRPNでも指定可能です
    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 21 :NRPN LSB = 21H :NRPN(01h,21h)=Low Path Filter Resonance
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕

    
   ○ブライトネス(カットオフ周波数)

    LPFのカットオフ周波数f0を調整します。ボイスパートには無効となっています。

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 4A xx :Brightness :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕

    またNRPNでも指定可能です
    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 20 :NRPN LSB = 20H :NRPN(01h,21h)=Low Path Filter Frequency
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕


   ○波形のエンベロープ(ADSR)

    波形の、立ち上がり時間(ATACK)、減衰時間(DECAY)、持続レベル(SUSTAIN)、余韻時間(REREASE)を設定します。
    SUSTAIN値はノートごとの強弱(Verocity)に連動しているのか、制御する機能は見当たらなかった。
    (コントロールチェンジ4Fでサポートするものもあるようです)
    ボイスパートには無効となっています。

    

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 48 xx :Release Time :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 49 xx :Atack Time  :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 4B xx :Decay Time  :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕

    またNRPNでも指定可能です
    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 63 :NRPN LSB = 63H :NRPN(01h,63h)=Atack Time
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 64 :NRPN LSB = 64H :NRPN(01h,64h)=Decat Time
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 66 :NRPN LSB = 66H :NRPN(01h,66h)=Release Time
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕


   ○ビブラート

    ビブラートの設定をおこないます。GM−MIDI規格の指定はボイスパートには無効となっています。

    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 4C xx :Vibrate Rate  :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 4D xx :Vibrate Depth :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 4E xx :Vibrate Delay :xx=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕

    またNRPNでも指定可能です
    <MIDI Ch.1の場合>
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 08 :NRPN LSB = 63H :NRPN(01h,08h)=Vibrate Rate
    B1 06 mm :mm=00h(0): -64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 09 :NRPN LSB = 09H :NRPN(01h,-9h)=Vibrate Depth
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕
    B1 63 01 :NRPN MSB = 01H
    B1 62 0A :NRPN LSB = 0AH :NRPN(01h,0Ah)=Vibrate Delay
    B1 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕

    ただし、NRPNにおいてボイスパート専用の調整ができます。
    <MIDI Ch.0の場合>
    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 03 :NRPN LSB = 03H :NRPN(70h,03h)=Vibrate Type
    B0 06 mm :mm=00h(0):extern 01h(1):fast 02h(2)normal 03h(3):slight Defaultは02h(2)

    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 04 :NRPN LSB = 04H :NRPN(70h,04h)=Vibrate Rate
    B0 06 mm :mm=00h(0):-64(00h)〔小〕... 0(40h)... +64(7Fh)〔大〕 Defaultは40h(64)〔標準〕

    B0 63 70 :NRPN MSB = 70H
    B0 62 07 :NRPN LSB = 07H :NRPN(70h,07h)=Vibrate Delay
    B0 06 mm :DATA MSB mm=00h-7Fh 上位下位合わせた数値として指定(mS)
    B0 26 ll :DATA LSB ll=00h-7Fh (mm<<7)|(ll) mS の遅延時間となる*
     mm=7,ll=104で1000mS、約1秒の遅延が確認されました

    このビブラートの設定はモジュレーションに対してかかるようです



(5)マルチパートパラメータ(XG拡張部)

    ボイスパートには無効となっています。

    標準のコントロールチェンジやRPN/NRPNなどの設定はチャンネル単位で指定でしたが、
    システムイクスクルーシブでは基本的にチャンネルの指定はありませんでした。
    しかし、このマルチパートパラメータは、システムイクスクルーシブメッセージで、
    パート(チャンネル)毎に指定できる設定となっています。
    中には今までにない機能も拡張されています。

    SysEx(F0 43 10 4C 08 nn yy xx F7) nn:チャンネル yy:01-6E(設定項目種類) xx:Value(データ2個のものもあります xx1 xx2 )
    SysEx(F0 43 10 4C 0A nn yy xx F7) nn:チャンネル yy:40-45(設定項目種類) xx:Value

    XGパラメーターチェンジ(08 nn 00)〜(08 nn 6E)まで定義されています。
    ボイスパートには無効であり、説明しきれないため省略します。


(6)ドラムユニットのセットアップ
    NPRN(Bn 63 dd, Bn 62 rr, Bn 06 mm)dd:14-1F(設定項目種類), rr:Drum note number, mm:Value

    SysEx(F0 43 10 4C 3n rr yy xx F7) n:Ch. rr:Drum Note number, yy:00-0F(設定項目種類), xx:Value

    ドラムセットの種類(各ノート)ごとにドラムの音色などの調整ができます。
    NRPN(14 rr)〜(1F rr)によるものとXGパラメータチェンジ(3n rr 00)〜(3n rr 0F)
    による指定のものがあります。ドラムパートのみ有効となっています。
    ここでは省略します。

  *チップ仕様としては、SDI入力(0/1)専用(SDI Part)のパートパラメータもありますが、未使用のため省略します



◎リバーブ・コーラス・バリエーションのエフェクトタイプの種類について

  ポケット・ミクには下記のエフェクトTYPEの種類を持っています。

  <リバーブ> ホールのような残響音の響き 29種類
  <コーラス> 合唱、やまびこのようなエコーの響き 24種類
  <バリエーション> 用意されたさまざまな音響効果 181種類

  これらの各エフェクトユニットのタイプ(計234種)は、エフェクト分類(カテゴリー)に対して、
  いくつかのバリエーション(同じ系統で違う種類)を持つように構成されてます。
  typeの指定値MSBが分類、LSBがそのバリエーションという意味に近い定義になっていることが分かります。

  また、エフェクトの<バリエーション>には、リバーブ、コーラスと同一のエフェクトを持っています。
  そして、バリエーションとしてのオリジナルエフェクトには、さらにいくつかの組み合わせを含んでおり、
  実際のエフェクト分類としては、

  <リバーブ>8分類
  <コーラス>5分類
  <バリエーション>リバーブ同等8分類、コーラス同等5分類*、オリジナル45分類、組み合わせ27分類

  となり、バリエーションのオリジナルとしては結局45分類ということになります。
  *ただし、ROTARY SP、FLANGERはTYPE数が拡張されています
  結局のところ、エフェクトの分類としては、85分類(内組み合わせ27分類)で、
  単独のエフェクト分類としては58分類を見ればその全貌が分かると思います

・エフェクト分類テーブル

   下手な日本語より英語のままのほうが意味を損なわないので原文のままとしてます。
   (クリックでオリジナルファイルを表示します)

  

   ブルーの部分がリバーブ8分類、ピンクの部分がコーラス5分類、グリーンの部分がバリエーション
   オリジナル45分類、イエローの部分がその組み合わせ27分類となっています。(計103分類)

   ○エフェクト分類内容

    そこで、エフェクト分類の種類ごとの意味をみると以下のようになっています

  

  

  

  

  


  また各エフェクトに対する、16個のパラメータの定義については、パラメータリストとして定義され、
  そのリスト番号を対応させて記述しています。
  基本的にはエフェクト分類でパラメータ定義は決まるが、いくつかの分類は同じパラメータを使っています。
  またいくつかの分類には、タイプによってパラメータ定義が変わっているものもありますが、
  結局のところ、パラメータリストとして定義されているのは62種類となります。
  パラメータリストにいくつか共通するものもあり、結局単独なのが43種類、組み合わせが16種類となります。

  同じパラメータリストを使っているものは、同一値を設定すれば同じ効果になると思われます。(予想)

  従って基本的には、パラメータはさわり過ぎないで、微調整として使う程度なのかもしれません。

  具体的な効果については、
  歌うキーボード ポケット・ミク(NSX-39)のエフェクトを聞き比べてみましょう
  をご参照ください。


2014.08.18
2024.02.22補足追加


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